あらすじ
この話は、私が博士号を取得するために、博士課程進学から修了までに至った体験を架空の都市「ステラシティ」に置き換え記した、フィクションである。
大学院にモラトリアムで進学した博士課程に在籍する男性「僕」を主人公に据えた物語。
教授やさまざまな立場の助手たちのもと、自身の生きざまについて戸惑う『僕』の姿が、「カラス」、「フクロウ」などにたとえられながら描かれてゆく。修士課程の先にある、博士課程とは、今までの大学生活とは異なる、独特の、欲望と腐敗に満ちた世界。その世界に足を踏み入れてしまった「僕」は、教授たちのおかしな要求にも学位取得のために顔色を変えずに淡々と仕事をする。ルーズな留学生、自殺した大学院生への対応、研究費のマネーロンダリングのための名義貸しなど、煩わしい仕事をいくつも振られるが、「僕」は雑用から研究までをこなしてゆく。