あらすじ

二分先のコンビニへ行くのさえ億劫だった僕が、三千キロ先の君を目指した。 福岡の街は、すでに残酷なまでの新緑(葉桜)に覆われていた。 「桜が咲いたら、全部忘れることにしたの」 遠く函館で暮らす恋人・ハルからの、最後通牒のようなビデオ通話。 忘れていたのは、僕の方だった。 社会人になったら、日本で一番最後に咲く桜を二人で見ようという、あの日の約束。 時速300km。新幹線を乗り継ぎ、僕は失った春を追い越しに行く。 嵐に揺れる蕾が、彼女の「さようなら」の合図として開く前に。 ――これは、冷え切った二人の時間が、最後の一輪によって溶け合う再生の物語。

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エブリスタ
エブリスタ2026/04/09
  • 現在の作品桜前線を追い越して――三千キロの巻き戻し