あらすじ
ヴァレストン公爵家の長女エレノアは、幼い頃から一度も「いいえ」と言ったことがなかった。
完璧な令嬢として育てられ、望まれる振る舞いを身につけ、家のために生きる。それが当たり前だったからだ。
そんなある日、彼女は突然婚約を告げられる。
相手は、自由気ままで少々変わり者と噂される伯爵家の嫡男ルシアン。
家が決めた婚約。それを受け入れるだけのはずだった。のに、ルシアンはエレノアの笑顔の奥にある空っぽさを見抜かれる。
「君は、自分が何を好きで、何を嫌うのか分からないんだろう」
そう言って彼が誘ったのは、王都を歩くただのデートだった。