あらすじ
「剣や魔法で殴り合う時代は終わりました。これからは『法律』と『経済』で|蹂躙《じゅうりん》する時代です」
勇者パーティーで「ただの荷物持ち」と|蔑《さげす》まれていた青年ベルト。彼の正体は、現代日本で不当解雇やブラック企業を相手に戦い抜いた「元・労働問題専門弁護士」だった。
ある日、|傲慢《ごうまん》な勇者アルムスは、ベルトを「戦闘力ゼロの無能」と見下し、一方的にクビを宣告する。
しかし、ベルトは一切取り乱すことなく、分厚いバインダーから一枚の『請求書』を取り出した。
「解雇は承知しました。では、過去10年間にわたる24時間365日の待機時間に対する『時間外労働手当』、未納の『法定福利費』、および年利14.6%の複利計算による『|遅延損害金《ちえんそんがいきん》』――合計五億ゴールドの清算に入ります」
|鼻《はな》で笑う勇者だったが、ベルトはすでにギルド法務部の裁判所から正式な『|債務名義《さいむめいぎ》』を取得していた。即座に「強制執行」が発動し、勇者の全財産、邸宅、さらには伝説の聖剣までもが|合法《ごうほう》的に|差押《さしおさ》えられ、|剥奪《はくだつ》されてしまう。
さらに、書類の規約を読まずにサインしていた魔法使いや神官たちも『|連帯保証人《れんたいほしょうにん》』として巻き込まれ、パーティーは完全に破産。彼らは日当・銅貨3枚の過酷な下水道清掃で、永遠に借金を返し続ける地獄の|泥濘《ぬかるみ》へと叩き落とされた。
一方、特権を合法的にお膳立て(M&A)で乗っ取ったベルトは、完璧な福利厚生を誇るホワイト大商会を設立し、異世界の物流と経済を完全に支配していく。
暴力ではなく「法律と数字」で相手の人生を社会的に抹殺する、前代未聞の極上『リーガル・ざまぁ』ファンタジー!