あらすじ

京都・上七軒。 骨董店のショーウィンドウに、平安カルタが一組。 しのぶれど いろにいでにけり わが恋は—— その読み札の前で、水無月朔子(38歳)の足が止まった。 東京の出版社に籍を置きながら、京都に一人で暮らす編集者。 三年経っても、この街にまだ根が張れていない女。 骨董店を営む嵯峨野悠一(47歳)は、妻と同じ屋根の下で 静かに、少しずつ、自分が何者かを忘れていく男。 二人は恋に落ちない。 落ちるのではなく、沈んでいく。 季節が動くたびに、距離が縮まる。 縮まるたびに、戻れない場所へ近づいていく。 これは、忍んでも顔に出てしまった恋の話。 千年前から変わらない、正直すぎる感情の話。

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カクヨム
カクヨム2026/04/09
  • 現在の作品硝子の午後 〜忍べど色に出にけり〜