あらすじ
放課後の美術室で、白紙のノートを前に手を止める少女。
「描きたいのに描けない」――理由を見失い、筆が動かない自分に戸惑っていた。
そんな彼女の前に現れるのは、迷いなく描き続ける同級生・東雲紗季。
「描きたいから描く」と言い切る彼女の存在は、憧れであり、同時に残酷な差を突きつけてくる。
“描こうとしている”自分と、“描かずにいられない”彼女。
その違いに揺れながらも、紗季に背中を押され、少女は白紙に一本の線を引く。
たったそれだけの行為。
けれどそれは、“描くこと”をもう一度始める小さな一歩だった。
これは、才能と衝動の狭間で揺れる少女たちが、
それぞれの「描く理由」を見つけていく青春の物語。