あらすじ
降り止まない桜の花びらが、生活を脅かす「災害」となった世界。
市役所の『桜雨対策室』――通称サクタイに配属された新人の『俺』は、日々、泥と腐敗臭にまみれて「桜の残骸」を回収していた。
「桜なんて、ただのゴミだ」
毎日の仕事と桜に嫌気がさしていたある日、窓口に一人の少女・千桜(ちよ)が現れる。
「桜って、綺麗じゃないですか。だから私、ここで職場体験がしたいんです」
彼女の純粋な瞳と、泥だらけのダイブ。
最悪な春の中で、忘れていた「名前」の由来を思い出す――。
名前に呪われた青年と、名前に恋した少女が織りなす、再生の物語。