あらすじ
階段から転げ落ちて転生した先は、大好きだった乙女ゲーム『聖ミアティル・ラブロマンス』。
しかし、そこにいたのは「守ってあげたい」儚げな美少年……ではなく、泥酔してパンの耳を拾う重度のアル中ニートだった。
「解像度、下げて見てくれよ……俺、今……低スペックモードなんだ……」
私の推しが、こんなクズなはずがない!
あまりの解釈違いにキレた私は、ヒロイン(物理)として拳を振り上げる。
だが、この世界の狂いはそれだけではなかった。
正義の騎士は「ノルマ命の鬼刑事」に。
薄幸の美青年は「証拠で追い詰める捜査官」に。
高飛車な令嬢は「法律という名の鈍器で殴る警部」に。
そこは乙女ゲームの皮を被った、治安維持が拳と筋肉で成り立つ警察国家。
不法入国、公務執行妨害、未成年者略取……。
攻略対象たちから贈られるのは「愛の言葉」ではなく「分厚い法律書と逮捕状」だった。
私の乙女ゲームライフは、どこでバグったのか。
それとも、この世界そのものが――。
――物理(こぶし)と法が支配する、絶望の聖ミアティルへようこそ。