あらすじ

「…で、また振られたわけ?」 会社帰りの居酒屋で、幼馴染の雄二(ゆうじ)は呆れ顔でため息をついた。 「だからさー、私の家の掟が悪いんだって! 付き合ってもキスすら禁止なんて、今時ありえないでしょ?」 グラスを握りしめながら、來未(くみ)は何度目かの失恋を愚痴る。 來未には29年間守り続けてきた家の掟が二つある。 一、30歳までに結婚できなければ見合いをすること。 二、結婚するまでキスすら禁止。 この掟のせいで、どの彼氏も最初は「大切にするよ」と言ってくれるものの、最終的には「なんか、俺のこと好きじゃないんじゃない?」と離れていく。 「それで、今回も『考えさせて』って言われたら、そのままフェードアウト?」 「そう! もうパターン化してる!」 來未はぐいっとグラスの酒を飲み干した。 「ていうか、もうすぐ30になるんだよ? そろそろやばいって!」 「まぁ、見合いもそんなに悪くないんじゃないのか?」 「嫌よ! 見合いなんて、父さんの会社の偉い人とかが連れてくるお堅い人ばっかりだもん!」 「じゃあどうするんだよ?」 「……ねぇ、雄二。」 「なんだよ?」 「もうこうなったら……偽の婚約者になってくれない?」 雄二はビールを吹き出した。

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小説を読もう2026/03/19
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