あらすじ
王都薬師団に所属していた下級薬師リーナ・ヴァイスは、
疫病の初期対応において「役立たず」と断じられ、責任を押し付けられる形で辺境へ追放される。
だが、辺境で患者を診続ける中で、リーナはこの疫病が
単なる感染症ではなく、体質・生活・時間が深く関わる病であることに気づく。
症状を抑える薬ではなく、「進行を止める」判断こそが必要だったのだ。
発症初期に限れば病は抑えられる――
その確信を得たリーナは、隣国で治療に成功し、正当な評価を受ける。
一方、彼女を切り捨てた王都では疫病が悪化。
ついに第一王子が倒れ、リーナに帰還要請が出されるが、
その時すでに病は手遅れだった。
「治せたはずの病でした。あなた方が、私を追放しなければ」
これは、救える命と救えない命を見極めた一人の薬師が、
“正しい判断”で選び取った結末の物語。