あらすじ
液晶の青い光に沈む六畳一間。承認欲求に飢えた青年・海斗の元に、フォロワー数ゼロの「王」から招待状が届く。「幸福を一つ差し出せば、真実の共感を与えよう」。海斗はその誘いを拒絶し、不完全な自分を選んだ。一方で、完璧な美貌と称賛を手に入れたトップインフルエンサー・サキは、魂の体温を失い消えかけていた。
二人が新宿の雑踏で出会った時、最適化されたデジタルの世界がグリッチ化し始める。売られた記憶を取り戻すための、論理を超えた反逆の物語。これは、画面越しには伝わらない「体温」を信じる者たちの、不格好で美しい人間讃歌である。