あらすじ
鷹宮組の参謀・水瀬静は、冷静無比な頭脳で組を支える男だった。
感情を排し、合理だけで動く彼は、誰よりも正確で、誰よりも壊れやすい。
幼い頃、地獄のような環境から救い出してくれたのは、若頭の鷹宮恒一。
触れず、縛らず、ただ守る――その不器用な優しさに、静は静かに依存していた。
だがある日、敵対組織・黒峰組との抗争の中で、静は敵組長・黒峰燐司に捕らえられる。
冷酷で合理的な男は、静を一目で見抜いた。
その過去も、自己嫌悪も、すべて。
「お前、自分を汚れてると思ってるな」
否定されることに慣れていた静は、初めて“否定されない”恐怖を知る。
暴かれ、理解され、逃げ場を失いながら、次第に心は侵されていく。
守る男と、奪う男。
触れない愛と、踏み込む愛。
そのどちらも、静は手放すことができなかった。