あらすじ
「神様、私は今、純潔(いのち)を捧げているのでしょうか。それとも、ただ、汚される悦びに震えているのでしょうか」
聖陽教会の聖女アンナに下されたのは、辺境の古城に潜む女吸血鬼エリスを「浄化」するという名目の人身御供だった。
城の主、奔放な悪女ローザは、アンナが吸血の快楽に溺れ、信仰を失っていく様を優雅に鑑賞する。
一方、主人を狂信的に愛する王子様執事セシルは、主人の関心を奪う吸血鬼と聖女に、どす黒い嫉妬の刃を研ぎ澄ませていた。
吸血という名の法悦。
執着という名の忠誠。
裏切りという名の過去。
城を包囲する教会の軍勢と、かつての愛人である聖騎士の影が迫る中、歪な四角関係は、美しき破滅へと加速していく。
これは、光を捨てた女たちが、永遠の夜に心中するまでの記録。