あらすじ
「すごいな……これが“痛み”か! 情報の過負荷だ、最高に面白い!」
人類が誕生し、幾星霜。 精神の行き着く果てに、ボクらは「個」であることをやめた。 九十億の魂が一つに溶け合った精神集合体――『ヒム(HIM)』。
夜はなく、死はなく、病もない。 完成された「天国」において、唯一の敵となったのは――『退屈』だった。
◇
退屈を殺すために彼らが作り上げた、究極の端末(アバター)『エドヴァルト』。 彼(ら)が召喚されたのは、魔法という名の「クソコード」が支配する未解析の異世界だった。
魔法陣? 詠唱? そんな非効率なマクロは不要。 九十億の演算能力を背景に、世界の物理法則を直接書き換え(ハック)る。
「対象の質量をスキャン。重力定数を十倍に固定。――はい、デリート」
これは、神の箱庭をハックし、自らの意志で「新創世記」を書き込む、九十億のスペシャリストたちの物語。
「さあ、最高のパーティを始めようか、兄弟(ブラザー)」