あらすじ
笹倉 千景(ささくら ちかげ)の日常は、いつだって36.5度の『平熱』で構成されている。
誰もが熱狂する『学園の天使』香椎 恋羽(かしい こはね)も、誰も寄せ付けない『孤高の魔女』雪平 紫音(ゆきひら しおん)も、私にとっては別世界の住人。
一生交わることなんてない、そう信じて疑わなかった。
――あの日の放課後、他人に一切興味を持たないはずの『魔女』に逃げ場のない距離まで追い詰められるまでは。
「私の世界を面白くした責任、ちゃんと取ってもらうわ」
向けられたのは、一ミリの誤魔化しもない重たい執着。
さらにパニックに陥る私の背後からは、学園中が崇拝する『天使』が泣きそうな顔で抱きついてきて――。
「千景ちゃんはだめ。私が先に好きだったのに」
どうやら彼女たちが私に狂わされた理由は、私が過去に放った「デリカシーゼロの無遠慮な発言」のせいらしい。
スポットライトとは無縁の、波風が立たない立ち位置を愛していただけの私が、どうしてこんなことに!?
しかも二人は互いを牽制しつつも、私に救われた同類としてなぜか奇妙な連帯感まで見せ始めて……。
「どちらかを選ぶ」なんて恐れ多いこと、私にできるわけがない。
純度100%の重すぎる好意に両側から挟まれる、平凡な女子高生のキャパオーバーな日常。