あらすじ
「……まずはログを見よう」
ある日、限界を迎えたエンジニア・高橋悠真が目を覚ますと、そこは大量のアラートが鳴り響く謎の空間だった。
ここは異世界の「管理層」――剣と魔法の世界を動かしている仕組みの、裏側だ。
神々が太古に作り上げたこの世界の仕組みは、数千年動き続けた結果、あちこちガタがきている。説明書はない。前任の管理者は神だったらしいが、とっくに辞めている。唯一残されたお助け役は半分壊れていて、まともに質問に答えてくれない。
能力の表示がおかしくなる。技が途中で止まる。迷宮の自動生成が暴走する。レベルアップの計算が夜中に止まる――毎日がトラブル対応だ。
勇者が魔王に立ち向かう、その華やかな物語の裏で。
世界が止まらないように、今日も悠真はひとりで走り回る。
「俺がいなくなっても誰も気づかない。でも、俺がいなくなったら世界が止まる」
これは、見えない場所で世界を支える「管理人」の物語。
※IT用語が出てきますが、物語の理解に専門知識は必要ありません。雰囲気で読み流していただければ大丈夫です。