あらすじ
属性相克、治癒術、障壁魔法——。
人々が“そういうものだ”と信じてきた魔法の常識に、数学者エリアス・カントルはたった一人で異を唱えた。
「その理論、最初から間違っています」
魔力を持たない彼が頼れるのは、羊皮紙と炭筆、そして構造を見抜く頭脳だけ。
古代迷宮ダングルハイムに眠る最古の魔法刻印を求め、剣士、治癒術師、防御術士、斥候とパーティを組んで迷宮に挑むが、理論の誤りひとつで仲間は傷つき、自分の“正しさ”が人を殺しかける。
それでもエリアスは考えることをやめない。
魔法陣の対称性。治癒術に潜む自己相似。属性の裏に隠された三つの基本構造。
そして辿り着いた最深部で、彼は見つける。
——それは、何百年も前に途絶えた、魔法統一理論の未完の証明だった。
数学と祈り。理論と経験。
交わるはずのなかったものがひとつに繋がるとき、世界の魔法は新しい姿を見せ始める。
これは、魔法を使えない男が、
誰よりも深く魔法を理解しようとした物語。