あらすじ

都の外れに生まれた王・山部は、山から吹く風を愛していた。 誰のものでもなく、どこへでも抜けてゆく自由な風だった。 だが都は違う。 血と秩序が人の位置を定め、正しさが人の行く先を閉ざす。 父の即位により親王となったとき、山部は知る。 自らがなお、中心にはいないことを。 届かぬと知りながら、なお望んでしまうもの。 正しさに塞がれた場所の向こうにあるもの。 その思いはやがて、人を動かし、都を揺らしていく。 風は、どこへでも行けるはずだった。 だが人は、自らの選んだ場所からは還れない。 これは、ひとつの王朝の中で、 ひとりの男が何を得て、何を失ったのかを辿る記録である。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/03/18
  • 現在の作品王朝の風