あらすじ
千堂カナタは人生のどん底にいた。
就職活動は100連敗。一念発起して始めたダンジョン配信も、同接・フォロワー共に0。
彼が持つスキル【鑑定】は、魔物の名前とステータスを知ることしかできない「ハズレスキル」なのである。
だが、運命は新宿ダンジョンで一変する。
突如現れた規格外の怪物「ジャイアントミノタウロス」を前に、死を覚悟したカナタ。
逃げ込んだ隠し部屋で彼を待っていたのは、伝説の武器ではなく――一機の巨大な白いロボット『L.A.B.Y.S(ラビス)』だった。
「物攻2500……装甲3000……。なんだ、このバグった数値は」
魔法と剣の理を無視する圧倒的な「物理量」。
そして、カナタの【鑑定】スキルこそが、このオーバーテクノロジーを操るための唯一の鍵だった。
正体を隠すために被った安っぽい仮面。
咄嗟に口から出た痛々しい偽名「ディオン・ゼルガ」。
意図せず救ってしまったトップ配信者・桜庭ミオリによって、その活躍は全世界へ生中継されてしまう。
ネット民は彼を「古代文明の救世主」と崇め、国家機関はその圧倒的な力を手に入れようと奔走する。
しかし、銀色の装甲の中にいるのは、正体がバレる恐怖に冷や汗を流し、一億円の契約金に土下座して喜ぶ「ただの陰キャ」であった。
これは、生身のステータスは最弱のまま、パイロットレベルだけをカンストさせていく少年が、ファンタジーの世界を「ロボットアニメ」の常識で蹂躙していく物語。