あらすじ
男性が極端に少ない世界で、貴族の男として生きるスイラン・ヴァルグレイス。
頭に浮かぶのは二つの事柄。
ひとつは、突如として取り戻した前世の記憶。
日本での、平凡な暮らし。
もうひとつは、これまで俺が積み重ねてきた行為の数々。
使用人への暴言、学園の下位層に対する侮蔑、そして、脅迫と不正行為である。
脅迫の相手はユズリハ・グランデール。
グランデール家は我が家に膨大な借金を負っている。
その弱みを利用し、俺はユズリハを利用し、不正行為を繰り返してきた。
王都中央学園は、不正発覚に対して容赦がない。
もし露見すれば、俺は貴族として初めての退学者として名を残すだろう。
家の名を汚すどころの話ではない。
脅迫により迷惑をかけた謝罪として、俺がグランデール家の奴隷として契約を結ばされる可能性がある。
ユズリハが一言で、俺の不正や脅迫を表に出せば、俺は終わりだ。
名誉も、立場も、すべて失う。
ゆっくりと、彼女の関係を断つよう、俺の存在を忘れる様にと計画する。
しかし、彼女も、気づいていた。
俺が握っていたと思っていた弱みが、いつの間にか俺の首に絡みついていたことに。
日常は彼女の掌の上で転がされ、立場は逆転する。