あらすじ

その生き物は、だいたい全部乗せだった。 サルの頭にタヌキの胴体、トラの脚にヘビの尾。 ——まではまだいい。問題はそこからだ。 銃を背負い、学会を追放され、対戦ゲームで永久BANされ、それでもなぜか井の頭公園でテニスをしている。 名前は「Null-A」。いわゆる現代版の鵺らしい。 ただしこいつ、観測するたびに性質が増えていく。 肉食かと思えば光合成し、実体があると思えばネットに出現し、存在しているはずなのに「存在しない」ということが証明される。 挙げ句の果てには、選挙ポスターを破壊して候補者を困らせる始末。 ——こいつ、本当に生き物か? 痕跡だけを残し、記述によってのみ定義される存在。 情報が増えるほど正体がわからなくなる「それ」は、もしかすると。 あなたのすぐ隣にも、いるのかもしれない。

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カクヨム
カクヨム2026/03/18
  • 現在の作品鵺、あるいはNull-A