あらすじ
この物語りは、英雄譚ではない。
桜花なるグライダーで特攻した戦時中の短編である。
喜んで特攻せねば、半殺しの目にあう、そんな時代の物語である。
笑って死んでゆかねば非国民と呼ばれた時代である。
戦争が終わってからは、掌を返したような世の中が変化し、生き残った航空隊員には「特攻くずれ」などと侮蔑的な言葉が投げかけられ、戦没者を犬死に呼ばわりする風潮さえもはびこっていた。
そんな中、大勢の戦友を亡くして生き残った者たちは、戦没者に対し、「生き残ってすまない」と涙した。
ある者は子供を遺し、ある者は結婚せず、女性を知らず、最年少17歳にして敵艦へ体当たり。
その瞬間、ものすごい重力がかかり、気絶するため、死の瞬間は記憶にない。