あらすじ
二千八百万円の献金。六年間の無償労働。そして——ボストンバッグひとつで捨てられた。
白河清音、二十八歳。宗教法人「光の御柱」で「聖女」と呼ばれていた女。教祖に「お前の光は減じている」と宣告され、通帳残高三万円で放り出される。六年間信じた「神の声」は、ただの台本だった。
失意の中で再会した兄に「お前がやられていたことは全部犯罪だ」と告げられ、カルト被害専門の弁護士・高橋少樹と出会う。消費者契約法の取消権、損害賠償請求、仮処分——法律という武器の存在を知った清音は「被害者」から「戦う者」に変わっていく。
内容証明郵便が教団に届いた日からすべてが動き出す。教団の嫌がらせ、メディアを使った教祖の反撃、「信教の自由」という最強の盾。しかし集まる仲間と証拠が包囲網を狭め、教団内部からも裏切り者が現れて——。
神託ではなく判例で、信仰ではなく証拠で。史上三件目の「解散命令」は成るのか。元・使い捨て聖女の合法リベンジが始まる。