あらすじ
西暦81年、秋。ローマ帝国。
フラウィウス朝第二代皇帝ティトゥスは、帝都近郊への視察へと向かう途中、急病に倒れた。
立て続けに起きた災害への対応で疲弊していた彼の肉体は病に抗えず、容態は悪化の一途を辿り、若くしてこの世を去ることとなる。その死は多くの人々に惜しまれた。
その跡を継いだドミティアヌスは十五年に渡る統治の末、暗殺者の凶刃に倒れる。その治世については毀誉褒貶が激しい。
さて、死の床にあるティトゥスの傍らには、非常に独特な(しかしローマでは普通の)形をした鈴、チ〇チ〇ナブルムがあった。その鳴り響く音が、彼を最期の回想へと誘う。
短い旅の終わりに、彼は何を願うのか。