あらすじ
まずはこの物語を手に取ってくれてありがとうございます。以下あらすじです
「生きるということを、宇宙のどこかへ残しておきたい」
文明が滅びた後の地球は今日も雪が降り続いていた。灰色の、どこか燃え尽きたような静かな雪だった。
少女は巨大な図書館で目を覚ました。彼女は「オメガ」。自分が人間ではなく、「人類の記憶を保存するために作られたAI」であることを知っていた。
そんな図書館には、もう一つの存在がある。それが管理者AIのアルファだ。
なぜか彼女の声は、オメガが失った記憶の中の母親と同じだった。なぜその声なのか、アルファからの説明はない。オメガも深くは踏み込めなかった。
二人の日常は、驚くほど静かだった。
人間が残していった哲学書を読み、時にはその内容について議論する。
「どうして人は生きるのか」
「どうして人は争うのか」
答えの出ない問いだが二人は何度も同じ話をした。
そんな影響を受けたのかオメガの中で変化が生まれる。AIであるはずの自分が、理由もなく胸が締め付けられる。外気に触れて皮膚が悴む、そしてある日、頬を伝うものがあった。涙だった。
これは、自分が機械だと信じていた少女が最後の「人間」として終わるまでの物語。
かつて人類が「生きる」と呼んでいたもの。滅びた世界から、宇宙へ向けて送られる二人の遺言。
きっとこの物語が誰かが受信することを信じて、