あらすじ
十九歳の少女、白鷺琴乃(しらさぎことの)は、大学を休学して旅に出ていた。たった三日間の短い旅へ。
目的は、三年前に亡くなった兄が行きたいと言っていた場所を巡り、兄の気持ちを知る事。
そんな旅の一日目。真夜中の海辺で、琴乃は自らを死神と名乗るフラウドと出会い、三日以内の死を告げられる。
想像していた死神よりも明るく優しいフラウドの言葉を、琴乃は冗談半分で受け止め、琴乃はフラウドと共に旅を続けることにした。
《以下、ネタバレを含みます》
旅の二日目。話を弾ませる二人を待っていたのは、死神からの刺客。フラウドは激しい戦闘の末に死神を退ける。しかし、その最中で聞いた言葉と無情に死神を倒すフラウドの姿に、琴乃は懐疑心を抱く。戦いの後、街に雨が降っていた。カフェで休む琴乃は、フラウドのやさしさを再び受け止め、フラウドを信じるとともに、自身の疑う心を恥じるのであった。
旅が進み、二人が会話を重ねる度。琴乃はフラウドに死んだ兄を重ねていた。
二人は互いに信頼し、距離も近づいていく。が、琴乃の心には大きな闇があった。フラウドが拾った琴乃の日記に書いてあった出来事は、めちゃくちゃな月日と、次第に壊れていく文章の中、兄の死から続いて、母と父も亡くなっていたという現実だった。
フラウドはついに知る。琴乃の本当の目的、旅の後に自ら命絶とうとしていたことを。
だが、彼らの時間は確実に前に進んでいた。琴乃とフラウドの出会いは短い時間ながらも琴乃の心に希望を与える。それはフラウドにとっても希望であった。自身が死神であることに悩んでいたフラウドも琴乃との関わりを経て、自分のやるべきことを掴み始めていたのだ。
何度もほつれる度に強くなる二人の絆は、ついに旅の最終日を迎える。
例え兄の気持ちが分からなくても、「自分の感じたもの」が確かにある事。その答えを得た二人に立ちはだかる最後の刺客。自らを白鷺行人(しらさぎゆきと)つまり琴乃の兄だと語る死神が現れた。フラウドが兄だと推察していた琴乃は混乱する。しかし、その死神には決定的に違うものがあった。それは兄のやさしさ。二人は死神を退け、また一歩進んでいく。