あらすじ

大学一年の夏休み。 映画のトークイベントに友人と訪れた“俺”は、会場でひとりの少女に声をかけられる。 壇上で眩しい照明を浴びていた彼女は、映画で高校生役を演じたばかりの新人女優だった。 「逃げるのを、手伝ってほしいんです」 華やかなイベント会場の隣では、イチゴの祭典が開かれていた。 甘い匂いと人混みに紛れ、友人のバイクでその場を抜け出した彼女を匿ってくれたのは、古いクリーニング店に暮らす眼鏡の少女・透子と、その肝っ玉母ちゃんだった。 服が密集した細い通路の奥、洗剤と熱の匂いが残るその店は、逃亡のための隠れ家であり、四人だけの秘密基地になっていく。 コンビニ、商店街、川辺、祭りの外れ。 外の世界をほとんど知らずに育った彼女は、何でもない夏の景色に少しずつ触れていく。 けれどその自由の背後では、誰かの視線が静かに近づいていた。 やがて四人は、彼女の過去へとつながる山間の街へ向かう。 そこで明かされる秘密と、自分の人生を自分の足で選ぶための決断。 華やかな映画イベントから逃げ出した新人女優と、彼女を匿う三人の若者たち。ひと夏の逃亡は、やがて彼女の過去と“本当の自由”へ辿り着く。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/03/17
  • 現在の作品あの夏、君を隠した