あらすじ

八百二十三日。 それは王弟妃アデライドが、王宮の地下で血を流し続けた夜の数だ。 百年前から続く大結界は、一人の女の犠牲で維持されている。 その事実を知る者はごくわずか。 夫は愛人と笑い、宮廷は彼女を「無能な妃」と嘲る。 指の感覚が三本分消えた夜、アデライドは紋様に背を向けた。 もう、いいかな。 たったそれだけの言葉で、五年間が終わった。 結界が揺らぎ始め、王都の空にひびが入る。 宮廷魔術師長の修復は失敗し、夫は慌てて妻を捜す。 だがアデライドはもう、手の届かない場所にいた。 隣国の青年魔術師は、彼女の手の傷を見て何も聞かなかった。 代わりに毎朝、少しずつ配合の違うお茶を差し出した。 血を流さなくても結界を維持する方法は、あるのか。 それを見つけるのは理論か、実践か、それとも。

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小説を読もう2026/03/17
  • 現在の作品その結界が解けたとき、この国は滅ぶ〜でも私はもう、守る理由がない〜