あらすじ

国葬の日、勇者の棺に納められているはずの聖剣はなかった。 代わりに入っていたのは、辺境の娘が昔貸した、擦り切れた灰青色のマフラー。 王侯貴族はざわめく。 なぜ国を救った英雄の棺に、そんなみすぼらしい品が入っているのかと。 けれどそれは、勇者がまだ勇者ではなかった冬の日、 吹雪の中で倒れた自分に「返しに来る時まで貸してあげる」と渡されたものだった。 英雄になっても、魔王を倒しても、 彼はその約束だけは果たせなかった。 棺に入れてほしいと勇者が最後に遺したのは、 国を救った証ではなく、 自分がずっと帰ろうとしていた場所の証だった。

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小説を読もう2026/03/17
  • 現在の作品勇者の棺に聖剣はなかった。入っていたのは辺境娘の古びたマフラーだった