あらすじ
「死者は引き金を引けない――」
1994年4月、シアトルの温室で死体で発見されたロックの神様・カート・コベイン。公式記録は「自殺」と断定した。だが32年後、東京・杉並区のレコード店員・真柴拓は、たった一つの物理法則から事件の違和感に気づく。
致死量のヘロインを摂取した人間が、どうやってショットガンを構えられたのか――。
相棒のAI・クリスと共に、拓はデジタルデータの海を泳ぎ、隠された真実に迫る。そこに浮かび上がるのは、巨大資本の陰謀と、一人の狂信者の歪んだ愛。そして、カート自身が最後に選んだ「究極の自由」。
身体は女性、心は男性。自身もまた「定義されること」に息苦しさを抱える拓だからこそ、見えるものがある――。
音楽とミステリーと性の境界線が交差する、令和版〈音響×サスペンス〉。