あらすじ
※大幅に加筆修正して再掲です。毎日20時に定期更新します。※
異世界ものなのに、異世界に行くのに34話かかります。
ハーレムはありません。チートもほぼないはずです。自分が読みたい内容だけを詰め込みました。
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拝啓
語りの外の貴方へ
あなたのことを、書き残しておきたいと思いました。
誰も語らなかったとしても。誰にも届かなくても。
あなたは愛ある両親のもとに生まれ、努力が報われる才能を持ち、友人に恵まれ、愛する妻と出会い、生まれてくるはずだった命を夢見ていた。
何もかもを手にしたはずのあなたが、ある日を境にすべてを失った。
あまりにも整いすぎた不幸の連鎖の果て、あなたはひとつの結論に辿り着いた。
――これは偶然ではない。自分の人生は、何者かに壊されたのだ、と。
死の直後、あなたの前に現れたのは異世界の唯一神・ナスレスク。
あの邪神は告げました。「君は本来、幸福にしかなれない運命だったのさ、でもぼくが歪めた」と。
ナスレスクを滅ぼせば、壊される前の人生へ戻れる。
その契約のもと、あなたは異世界へ転移した。
だがそこは、善なる唯一神ナスレスクを心から信じる人々が暮らす世界でした。
信仰は本物でした。祝福は確かに人々を支えていました。
それでもあなたは知っていた。あの神が何者であるかを。
魔物、貌なき怪物。偽りの神話。
あなたは奪われた人生を取り戻すため、世界に祝福として根づいた神を殺しに行った。
元の世界へ戻れましたか。
奈々未さんと、幸せになれましたか。
返事はいらないのです。
ただ、知っていてほしかった。
あなたの物語を、私はずっと覚えています。
あなたと共に戦うことができて私は幸せでした。
貴方の刎頸の友より
敬具