あらすじ
タイトルは「うすらいのたび」と読みます。
【公募用あらすじ(ネタバレ有り)】
陸地がなく、全てが海の世界。溶けない氷という特殊な物質が存在し、人は氷の神が作った溶けない氷の島の上に、海氷街という街を作って暮らしている。氷は人の生活に根ざし、氷の神は人を支える宗教であり、信じない人、敵対する人は、総じて魔女と呼ばれている。
ヨウナは海氷街で起こった戦争の後遺症で、氷結病という不治の病に侵されていた。余命は三ヶ月であり、失意の中、病室のベッドで寝ていた。
あるとき、病室にユキという少女が走り込んできて、助けてほしいと言う。彼女は罪人として教会の神父に追いかけられていた。ヨウナは直感的な判断で、明らかに悪人に見えない、優しそうなユキを助けたく思った。ヨウナはユキを次の街まで逃がすため、羅針氷塔が見たいという願いを口実に、ユキとともに病院の外へ出る。
二人は一日をかけて、ときにレストランに入り、ときに迷子を助け、羅針氷塔が見える海氷街の沿岸部を目指す。順調に進んでいたが、迷子を助けたことをきっかけに神父に見つかってしまい、道ばたで襲撃を受ける。
ヨウナは自らがおとりになることでユキを逃がそうとするが、ヨウナの命を犠牲にした提案をユキは認めなかった。二人で話した結果、ユキは自身が魔女であることを告白、溶けない氷を溶かしてしまう体質を持った異常者であることをヨウナに伝え、協力して神父を倒すことにした。
ヨウナの奇襲により、神父を倒して、二人は羅針氷塔の見える沿岸部に到達する。ユキは残りの寿命で一緒に旅をしないかヨウナに提案するが、ヨウナは足手まといになると断る。そのとき、ユキはヨウナの体調が思うほど悪くないことに気づく。
実は、ユキの溶けない氷を溶かす体質が、ヨウナの氷結病を和らげる効果をもたらしていたのだった。ヨウナはユキの隣にいれば、生きながらえることができる。ユキは二人はそれぞれの目的のため、お互いに助け合いながら旅に出るのだった。