あらすじ
「お前を愛することはない」
「合理的ですね、私もです」
王宮の婚約の席で、第三王子はそう言った。
普通の令嬢なら泣く場面だろう。だが私は頷いた。
「恋愛とは極めて不確実な感情です」
「同意する」
「ドーパミン分泌による高揚状態」
「吊り橋効果もある」
「判断能力を低下させます」
「婚姻の判断材料としては不適切だな」
なぜか話が合ってしまった。
こうして私と王子の婚約は、恋ではなく**研究**から始まった。
恋愛心理学を研究する変わり者の令嬢と、
人の感情を数式で理解したい王子。
恋を観察し、分析し、検証するはずだったのに――
気づけば距離は近く、心拍数は上がり、
**研究者自身が研究対象になっていた。**
これは、
恋を研究していた変な二人が、気づけば恋を証明してしまうまでの話。