あらすじ
言葉を武器にするコラムニスト、|志藤 宗一郎《しどう そういちろう》。
彼にとって、幼馴染の親友・|真壁 陽真《まかべ はるま》が営む『|Cafe Amber《カフェ・アンバー》』で過ごす時間は、何にも代えがたい「正解」だった。
穏やかな沈黙と、琥珀色のコーヒー。
この完璧な関係が、形を変えることなど想像もしていなかった。
けれど、志藤はまだ知らない。
自分がなぜ、陽真の淹れる一杯にこれほどまで安らぎを感じるのか。
そして、その無自覚な幸福が、どれほど危うい均衡の上に成り立っているのかを。
これは、自分の心にだけは「鈍感」な男が、
琥珀色の夜の中で、本当の想いを見つけるまでの物語。