あらすじ
「地味すぎる」「時代遅れ」——七年間、眠れない夜に寄り添い続けた深夜ラジオは、たった一言で打ち切られた。
藤崎凛、二十九歳。華やかさとは無縁の声で、誰も聴かない深夜一時の片隅に居場所を見つけたパーソナリティ。視聴率は低迷、スポンサーはつかず、SNSフォロワー五十万人のタレントに枠を奪われる。
「数字にならない価値」など、この業界には存在しないのだと思い知らされた夜。
しかし、彼女は知らなかった。
七年間、毎晩欠かさず耳を傾け続けた一人のリスナーがいたことを。不眠症に苦しみながら、彼女の声だけを「唯一の安定剤」として生きてきた男がいたことを。
そして——その男が、誰もが知る大企業の御曹司だったことを。
「君の声には、数字では測れない価値がある」
番組を失い、居場所を失い、全てを諦めかけたその時。彼女の声を誰よりも必要としていた人物が、手を差し伸べる。
届かないと思っていた声は、確かに届いていた——。
これは、「価値がない」と切り捨てられた女性が、たった一人の理解者と出会い、本当の居場所を見つけるまでの物語。