あらすじ
*全30話+あとがき 完結 毎日20時から5話投稿 予約済み(10分毎)*
文化祭の準備で訪れた先輩の家に、爪切りが暖簾のように吊るされていた。
この学校には、毎年続く「決まり」がある。爪、感覚、色といった人の断片を揃えなければ、世界がわずかにズレる。タイミングが乖離し、同じ言葉が繰り返され、色が揺らぐ。
旧校舎の教室には、歴代の犠牲者たちの爪で作られた絵が静かに並んでいた。
二年生の朽木琴音はすでに色を失いかけている。それでも今年で終わらせると言う。
美術部の相沢太郎は逃げられなかった。不揃いが怖い。空白が怖い。不安耐性の低い自分の性質が、気づけば朽木の隣に立たせていた。
整えることが、罠だった。