あらすじ
戦時下、出征する友らを見送り、一人村に残った男。
彼に与えられたのは、銃ではなく、山皮を編み上げた異様な「巡査」の制服だった。
村を護るため、右眼を灼かれ、人ならざる「異形」となった男。
しかし、捧げた忠誠と狂気のすべては、敗戦と共にもたらされた「一片のチョコレート」によって無残にも、美しく粉砕される。
時代に置き去りにされた男の傷跡は、やがて「伝統」という仮面の下に隠されていく――。
【備考:文体について】
物語の大部分は、当時の空気感を再現するため文語体(旧かな・旧漢字)で執筆されています。