あらすじ

四十四歳、休職中。体は言うことを聞かず、気力も底をついていた。 それでも朝は来て、妻が飯を作り、子どもたちが笑う。 鈴木陽平には、それだけがあった。 ある朝、片付けの途中に開けたクローゼット。 その奥の暗さが、いつもと違った。 気づけば、そこは白い世界だった。 慌てた様子の女神に告げられる。「今は、戻れない状態です」。 言葉の端に、言い切れない何かが残っていた。 長年の対人経験が、それを拾った。 けれど今は、追及しても仕方がない。 名前も身分も通じない異世界で、陽平は動き出した。 頼れるのは段取りと対人経験、料理の腕、それから体の中に宿った解析の声。 採取、討伐、換金、道具の調達。 小さな一歩を積み重ねるうちに、陽平は気づいた。 ──この体、軽い。 ──息が、切れない。 異世界の空気が、長らく動かなかった体を呼び覚ました。 腹が満ちれば、人は前を向ける。肉を焼けば、もっといける。 帰れないなら、ここで生きる。ならば、ここで店を持つ。 冒険者として稼ぎ、魔物の肉を解体し、成り行きで焼肉屋をはじめた。 アラフォーパパの、泥臭い再出発が、いま始まる。

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小説を読もう2026/03/16
  • 現在の作品異世界の魔物肉、全部うまい。帰れないアラフォーパパ、冒険者しながら焼肉屋はじめました