あらすじ

二浪、二十歳。僕の人生は、ずっと「保留」のままだ。 外の世界の光が眩しくて、予備校の息苦しい生活から抜け出したかった。 勉強して、受かればいい。 単純なこと、わかっていても若者の怠惰と快楽への欲求からは逃れられない。 教科書を閉じて逃げ込む図書館の隅、SNSで見るキラキラした若い経営者たち。 自分もきっとできる。 「無限の可能性」に焦がれては、白紙の模試解答用紙とのギャップに絶望する毎日。 熱意なんて、自分を表す言葉じゃないと思っていた。 そんな停滞した霧の中に、彼女はいた。 同じ予備校に通う、中村ひとみ。 僕と同じようにどこか欠けた空気を感じさせる彼女との出会いが、色を失った僕の生活を少しずつ変えていく。 彼女の隣にいる時だけは、未来という不確かなものを信じてみたくなった。 けれど、浪人生という「期間限定」の時間は、残酷に終わりへと向かっていく。 「何者でもない」僕たちが、不器用に見つけた恋の行方は――。 「ねえ、私たちはどこにだって行けるよ」 その言葉の本当の意味を、僕はまだ知らなかった。

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エブリスタ
エブリスタ2026/03/14
  • 現在の作品何ものでもない僕の、切ない愛の記憶