あらすじ
深夜のコンビニに向かう時だけ、私は「理想の自分」に着替える。
高いヒールを鳴らし、甘い香水を纏い、仕事に追わりの雰囲気を纏う。
すべては、あの人とつながりたいから。
「となり、いいっすか」
一缶のアルコールをきっかけに、名前も知らない二人の甘く危険な夜が始まる。
「一缶飲んだら、帰ってください」
「……警戒心、持ってくださいね」
正体を隠し、背伸びをしたまま過ごす、不確かな夜。
彼の指先が触れた場所を私は覚えてしまう。
朝が来れば、すべてはなかったことになるはずだった。
期待していたことにはならないのが、私だ。
けれど、
「私の名前は、真月景と申します」
驚きに目を見開く私に、彼はあの日と同じ、優しい笑みを向けた。
深夜の乾杯から始まった、嘘つきな私の恋のゆくえ。