あらすじ
公爵家にも劣らぬ名門フォルディア伯爵家の長女セレナは、侯爵令息ルシアンの婚約者として、家の内外を支え続けてきた。
けれどある夜会で、妹ミレイユが涙ながらに“可哀想な妹”を演じ、セレナの婚約者を奪ってしまう。
婚約を失い、居場所まで奪われた――はずだった。
しかし、静かに伯爵家を離れたセレナは、これまで自分がどれほど多くのものを背負わされていたのかを知っていく。
一方で、すべてを手に入れたつもりの妹は、少しずつ思い通りにならない現実へ追い詰められていき……。
これは、奪われた令嬢が復讐に縛られることなく、自分の人生を取り戻していく物語。
そして、他人のものを奪い続けた妹が、自ら選んだ道の先で転落していく物語。
「妹に婚約者を奪われたので差し上げました。ですが、檻に入ったのはあの子のほうでした」
静かに手放したはずの婚約の先で、本当に自由を手に入れるのは――。