あらすじ
大地を埋め尽くす『異形』に敗れ、人類は誇りも、色彩も、そして『味』さえも失った。
国防軍第一軍団に所属する若き少尉、ロザン・パイストは、403号シェルターの奪還作戦を遂行していた。
シェルターの自爆システムに巻き込まれ、重傷を負ったロザンは古びた民家で目を覚ます。
家主の女性に差し出されたのは、湯気を立てる謎の茶色い液体。
泥水のようにしか見えないその液体を震える手で啜った瞬間、ロザンの脳に激震が走る。
それは、かつての文明が育み、効率化の荒波に埋もれて消えた遺産――『味噌汁』であった。
「食とは即ち、燃料である」
そんな鉄と油の匂いに塗れた軍人が、世界に食文化を取り戻す物語。