あらすじ

新宿の調査会社を解雇され、無一文となった松山薫。 彼の手元に残されたのは、十七年前に死んだ祖父の遺品――一通の茶封筒と、一本のカセットテープだった。 ​再生ボタンを押すと、聞こえてきたのは死んだ父の声。 だが、父は歌ってはいなかった。 無機質なリズムで、意味不明な「数字」を読み上げ続けていたのだ。 ​導かれるように向かった本駒込の廃墟、そこには「日本音響記録研究所」という名の奇妙な施設跡があった。 残されたリストに記された父の名。そして「採取ルート:施設経由」という不穏な文字。 父の喉に宿っていた「癖」が、他人の喉へと伝播していく――。 ​これは、中野区弥生町の片隅から始まった、声と血を巡る音響的陰謀の記録。 封筒が開かれるとき、腐ることのない「声」が、あなたの耳元で鳴り始める。

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カクヨム
カクヨム2026/03/15
  • 現在の作品夜の底で、声は鳴る ―あるいは中野区弥生町における音響的陰謀の全記録ー