あらすじ
火龍一体、討伐コスト数十億。
その上、兵器は特別整備で一ヶ月停止。
そんな現代日本で、異世界帰りの勇者に必要なのは聖剣より先に――予算承認だった。
ダンジョンと魔法が行政課題になった日本。
特防省装備調達局の主任・九条湊は、英雄を信用しない。
奇跡は強い。だが再現できない。
一人の天才に頼る組織は、必ずどこかで破綻するからだ。
しかし、火龍級災害の夜。
九条の計算した避難計画は現場の混乱で崩れ、
歴戦の勇者ガランもまた、支援なき現代戦場では一人で勝ち切れないと露呈する。
制度がなければ救えない。
だが、制度だけでも救えない。
だから最悪のバディが生まれる。
帳簿で戦う官僚と、剣で戦う勇者。
これは、前線の無双ではなく、前線を成立させるための裏方無双である。