あらすじ
神話では太陽神は月神を愛し、光を分け与えた。
だから月国第二王女セレネと太陽国王太子アレクシスの結婚は、両国で祝福されるはずだった。
けれど婚礼の夜、アレクシスは冷たく告げる。
「公の場では理想の夫婦を演じろ。それ以外は何も求めない」
契約結婚。
愛など不要。ただ神話を再演するだけの政略。
宮廷でセレネが祖国ごと侮辱された時――
アレクシスは王子としての義務を超え、氷のような瞳で言い放った。
「私が迎えた妃を、和平の供物のように値踏みするな」
その夜、私室で初めて名前を呼ばれ、手を包まれた瞬間、セレネは悟った。
これはもう、契約の外。
神話のような大恋愛じゃなくてもいい。
自分の意思で隣に立つと決めたなら、そこから先は二人の物語――。