あらすじ

美濃の姫・濃姫は、父から短刀を渡されて尾張へ嫁いだ。  相手は“うつけ”と噂される織田信長。もし本当に愚かな男なら、刺せ――そう言われて。  けれど、実際に会った信長は、愚か者どころではなかった。  危うくて、傲慢で、子どもみたいに真っ直ぐで、誰よりも孤独な男。近くにいれば腹が立つのに、なぜか目を離せない。濃姫は正室として、やがてその背中を最も近くで見つめることになる。  弟との争い。母との断絶。家臣の死。側室・吉乃との出会い。  信長が天下へ近づくほど、家族の距離は少しずつ歪んでいく。  それでも、妻たちは見ていた。  人を惹きつけながら、同じだけ人を傷つけてしまう男のことを。  子どもたちも見ていた。  あまりに大きすぎて、追いつきたくて、けれど理解しきれない父の背中を。  これは、英雄・織田信長の戦記ではない。  妻と子どもたちの目から描く、ひとりの人間としての信長の物語。  天下人の背中を、いちばん近くで見た者たちは、最後に何を受け取り、何を手放すのか。  戦国を駆け抜けた家族の、哀しくて熱い群像劇。

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カクヨム
カクヨム2026/03/15
  • 現在の作品信長の背中 ―妻と子が見た戦国の絆