あらすじ


◆ 勇者の孫、就職活動へ ◆


王都の朝は騒がしい。

商人の呼び声。
荷車の軋む音。
魔導バスの警笛。

平和そのものだった。

かつて魔王がこの世界を恐怖に陥れていたなど、今となっては歴史の教科書の中の話だ。

そしてその魔王を倒した男――

勇者アルド。

その孫が、今、何をしているかというと。

「……はぁ」

王都中央区。

巨大な石造りの建物の前で、ニコは深いため息をついた。

建物の看板にはこう書かれている。

《王国職能ギルド 中央支部》

つまり。

職業紹介所だ。

「ついに来ちまった……」

二十五歳、無職。

勇者の孫。

社会的評価、ゼロ。

「勇者の血筋とか、履歴書に書いたらむしろ笑われるんだよなぁ……」

ニコは重たい扉を押した。

中には人があふれていた。

冒険者。
商人。
魔導技師。
鍛冶職人。

そして――

「次の方ー!職歴と魔法適性証明を提出してください!」

受付の女性が事務的に叫ぶ。

完全に役所だった。

「……帰りたい」

勇者の孫の就職活動は、
ここから始まる。

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アルファポリス
アルファポリス2026/03/15
  • 現在の作品勇者の孫は、職探しに苦労している。