あらすじ
都内のIT企業で働く会社員・相沢恒一は、周囲から「真面目でつまらない男」と思われている。
恋愛とも無縁、趣味もない――少なくとも、そう見えている。
だが彼には誰にも言えない秘密があった。
会社帰りにふらりと立ち寄った地下アイドルライブで、水色担当の白瀬みおに心を撃ち抜かれ、スーツ姿のままライブやチェキ会に通う“推し活”にどっぷりハマっていたのだ。
やがてみおに顔と名前を覚えられるほど通い詰めるが、その楽しい二重生活は、ある日思わぬ形で崩れ始める。
恒一が開発リーダーを務める新製品のCMタレント候補アンケートに、出来心でみおの名前を書いたことをきっかけに、まさかの本人がCMに起用されてしまったのだ。
撮影現場で再会した推しは、ステージの上の憧れではなく、仕事相手として目の前に現れる。
目が合った瞬間、互いに気づく。
それでも彼女は空気を読んで“初対面”を演じ、恒一もまた社会人として必死に平静を装う。
だがその出来事を境に、ライブ会場でも職場でも、これまで通りではいられなくなっていく。
仕事と推し活。
会社員としての顔と、ファンとしての顔。
その境界で冷や汗をかき続ける主人公が、推しとの再会や同僚たちとの交流を通じて、少しずつ自分の「好き」を肯定していく現代ラブコメです。
“推しと仕事で関わってしまう”というスリルと、認知されたファンならではのじれったさ、そして推し活が灰色だった日常を少しずつ鮮やかに変えていく過程を、コミカルかつ温かく描きます。