あらすじ
この地方には、長男だけが家を継ぎ、次男以下は成人とともに家を出るという古い慣習がある。
伯爵家の次男・レオは、優しい父と母、頼れる兄に愛されて育った。
家族の仲は良く、兄が家を継ぐことにも不満はない。
それでも土地に根づいた掟には逆らえず、レオは領地外れの古塔で一人暮らしを始めることになった。
静かに暮らしていくつもりだった。
畑を耕し、少しずつ土地に馴染み、自分なりの居場所を作っていく――そのはずだった。
だが古塔の最上階で、誰もいないはずの場所にいた小さな少女と出会ったことで、レオの新生活は一変する。
無口で、世間知らずで、なぜか最初から彼のそばを離れようとしない不思議な同居人。
しかもレオ自身も、これまで地味だと思っていた力が、この辺境で思いがけない形で人々の役に立つことを知っていく。
優しい家族に見送られて家を出た次男が、辺境で新しい居場所を見つけていく。
これは、静かに暮らしたい青年と、小さくて少しだけ重い同居人が始める、辺境暮らしの物語。