あらすじ
《あらすじ》
海辺の町・白澄には、こんな言い伝えがある。
「この町で恋をすると、不幸になる」
高校生の朝霧ひよりは、神社のあるこの町に引っ越してきた。
そこで出会ったのは、神社の家系の少年・神代蓮。
しかしその神社には、封じられた神がいた。
その名は――御影。
遠い昔、御影は一人の巫女・白椿に恋をした。
だが人と神の恋を恐れた村人は、神を封印してしまう。
怒りと悲しみに満ちた神は、町に呪いを残した。
「恋など愚かだ」
それから百年。
満月の夜に生まれた少女、ひより。
彼女の体の中には、ある魂が眠っていた。
それは、かつて御影が愛した巫女――白椿。
十八歳の満月の夜、白椿は目覚める。
御影との約束を果たすために。
呪いの神と、百年前の恋人。
そして、今を生きる少女。
三つの想いが交差する時、
百年続いた神の呪いは、ついに終わりを迎える。
これは――
神と人の恋が神話になる物語。
《登場人物》
【朝霧ひより(あさぎり ひより)】
本作の主人公。
満月の夜に生まれた高校生。
神社に懐かしさを感じるなど、不思議な感覚を持つ。
実は体の中に白椿の魂を宿しているが、そのことは知らない。
優しく芯の強い少女。
最終的に神社の巫女となる。
【神代蓮(かみしろ れん)】
ひよりの同級生。
神社の家系の少年。
先祖はかつて御影を封じた一族。
その罪を背負うように神社を守っている。
冷静で口数は少ないが、ひよりを深く想っている。
後にひよりと結婚し、神主となる。
***
【御影(みかげ)】
白澄の土地神。
かつて人間の巫女・白椿に恋をした。
しかし村人に封じられ、怒りから町に呪いを残す。
「恋など愚かだ」と言いながら、
誰よりも一途に愛を抱き続けている。
物語の終盤、白椿と共に神へと昇る。
***
【白椿(しろつばき)】
百年前の巫女。
御影に愛された女性。
人間としての人生を選び、天寿を全うした。
死の間際に
「百年後の満月の子に魂を宿す」
という言葉を残す。
ひよりの体の中で眠り続け、十八歳の満月の夜に目覚める。
御影と共に神となる覚悟を持っている。
***
《神社》
満月白縁神社(まんげつはくえんじんじゃ)
物語の舞台となる神社。
かつては御影を封じる場所だったが、
物語の終わりには
・御影命
・白椿命
を祀る縁結びの神社として再建される。
ひよりが巫女、蓮が神主として守っている。
***
《物語のテーマ》
・神と人の恋
・呪いが祝福へ変わる物語
・愛とは「奪うこと」ではなく「見守ること」